社長コラム11

本解説シリーズ

『リミットレス』

超加速学習 人生を変える「学び方」の授業

今回紹介する本はジム・クウィック著書『リミットレス 超加速学習 人生を変える学び方の授業』です。

3つ目ではモチベーションとメソッドのリミットについて考えていきましょう。

まずモチベーションについて解説していきます。

自分にはモチベーションがないという人がいますがそんなことはありえないんだということを知っておきましょう。なぜならその人たちも布団から出ないでテレビを見るというモチベーションは高いはずだからです。問題は何にそのモチベーションを投じるのかということなんです。

また、モチベーションはやるべきことを楽しんでやれという意味でもありません。運動が嫌いでも運動すべき明快で納得のいく理由があるので毎朝しているんだとか、冷水シャワーを浴びるのが苦手だけど毎日浴びてるんだよ、というのは行為自体を楽しんでいるわけではないんですがそこに確実にモチベーションが存在しています。

つまり必要なことにモチベーションを向けるためにはそれをやるべき理由を明確にする必要があります。

あなたが怠け者だとかモチベーションの総量が低いということはないんです。

これまではそれをやるべき理由を明確に決めていなかった。ただそれだけなんです。

やるべき理由を明確にする上で必要なことがあります。

それは人生の目的を決めることです。

人生の目的が分かると自分に誠実に生きられるようになります。

人生の目的を知っている人は自分が誰であり何をする人でなぜそうなったのかを承知しているんです。そして自分自身を知ると自分の思いに忠実になり、人生を生きやすくなります。

この時の人生の目標、つまりは朝起きる理由のことです。

目的は人生の決断を促し行動に影響を与え目標を形にし方向性を定め意味を生み出します。この人生の目的については一度腰を据えてしっかりと考える必要があるでしょう。時には紙にかき出したり口に出してみたり考え抜く必要があるんです。

なぜならあなたがモチベーションを上げる理由というのはあなたの人生の目的に近づくためだからです。

例えば学校の先生に勉強しろ勉強しろと言われても、自分の人生の目的において学校の勉強が全く関係ないのであればモチベーションが湧かないというのは当然ですし、そこにモチベーションを投じる必要もありません。やらなければならないこととやるべきことはまったく違うんです。

そしてさらに大切なのはあなた自身が目標を達成したものとして自分を既定することです。少し難しいですが要するに漫画家になりたいという夢を持つのではなく、漫画家だと思って行動する、ということなんです。この自分が何者であるかを既定するということは医学の世界でも用いられているくらい重要な方法です。

例えば自分を喫煙者であると考えていてはいつまでたっても禁煙できないということが分かっているんです。

なぜなら自分=喫煙者であり喫煙をしていることが自分の心の中でアイデンティティーとなってしまっているからなんです。

自分と喫煙という行為を切り離して考えることができるようになって初めて禁煙が成功します。逆に言うなら漫画家になりたいとか漫画を書きたいという宣言は自分と漫画を切り離して考えてしまっているんです。

そうではなくて自分は漫画家であると既定することで漫画を書くという行為自体が自分のアイデンティティーであると自分自身に思い込ませるんです。

もちろん口に出して言ったり紙に書き出すという行為も大切ですが、それだけでは不十分です。

あなたが漫画家なのであれば漫画家として相応しい行動を取るべきです。

毎日絵を描くというのは当然です、仕事道具でボールペンや机などにお金をかけるというのも当然です。漫画家として相応しい行動をとっていけばあなたは自然と本物の漫画家になれるのです。

そしてモチベーションはわざわざ沸かせるものではなく人生の目的さえはっきりすればそこに存在しているんです。

また、ここでそれでも行動できないという人はさらにもうひとつ考えてほしいことがあります。それはなぜ自分は漫画家になりたいのかということなんです。

先ほども説明しましたがモチベーションというのは理由がしっかりとわかっていることに対しては勝手に湧いてくるものなんですが、それをやるべき理由が明確であればモチベーションを高めるテクニックなんてものは必要ありません。

自然とそれがやりたいと思えるはずだからです。漫画家になりたいという人生の目的があったとしてもそれに向かっていけないのであればもしかしたら漫画家になりたいというのはあなたの人生の本当の目的ではないのかもしれないんです。

もしかしたら漫画家になってチヤホヤされたい、漫画家になってめちゃくちゃ売れてお金がたくさん欲しい、このチヤホヤされたいとかお金が欲しいというのが本当のあなたの人生の目的かもしれないんです。

まずは自分が心の底から人生の目的だと思える目標を決め、その理由まで深掘りしてみましょう。

そうすることでモチベーションのリミットが外れ無限のモチベーションと出会うことができるんです。

最後にもう一つモチベーションについて知っておいてほしいことがあります。それはモチベーションはあるものではなく、することだということなんです。

習慣とルーティーンからなるものを、価値とアイデンティティーに導かれるものであり、突き詰めればあなたが毎日することがモチベーションだということなんです。わざわざ自分を奮い立たせて無理矢理湧き出させるものがモチベーションではないんだということをここで押さえておきましょう。

最後にメソッドのリミットを外していきましょう。

メソッドとは何かを成し遂げるための方法や手段のことです。私たちは学校という教育制度を通じてひどく古風で非効率な学び方を教えられています。

学校の最大のデメリットというのはアップデートが容易ではないということです。

すでに実証されているような有効な学習方法が学校で使われるようになるまでには何十年というタイムラグがあります。だからこそ私たちは最新の学習メソッドについて知らずに勉強できないということは自分が頭が悪いんだと思い込まされてきたんです。しかし、しっかりとその方法を学ぶことによってあなたは過去のメソッドという縛りから解き放たれ自由になることができます。本書には様々な学習メソッドが紹介されていますが、ここでは6つの考える帽子という思考方法を紹介しましょう。

これは心理学者のエドワード博士が人が陥りやすい思考の型から抜け出すためのツールとして考案したものです。

そのコンセプトは簡単に言えば6つの象徴的な帽子を順にかぶることで思考を6つの異なる機能に振り分ける。つまり帽子というわかりやすいラベルを使って意図的に違う思考法、いつも使っていない思考法に切り替えて問題について考えてみるという方法です。

やり方を解説していきましょう。

1つ目、情報収集のモードの時には白い帽子を被る。

このモードの時はデータを集めたり問題解決に必要な事実をすべて把握したりすることに注意を向けます。白=情報と覚えるには研究者の白衣をイメージするといいでしょう。

2つ目、黄色い帽子をかぶり問題を楽観的に考える。

このモードでは取り組んでいるどんな問題や困難にもポジティブな要素を見つけようとします。黄色=ポジティブを覚えるには黄色い太陽を思い浮かべるといいでしょう。

3つ目、黒い帽子をかぶり問題の難点や隠れたリスクに注目する。

ここでは問題を解決できなかった時の結果と向き合うことになります。覚えるコツは裁判官の黒いマントをイメージすることです。

4つ目、赤い帽子をかぶって感情に表現の場を与えることです。

ここでは問題について感じることを正直に言いましょう。

恐れがあれば語っていいですし、憶測や直感を会話に混ぜ込んでもいいでしょう。

赤=感情を覚えるには赤いハートをイメージするといいでしょう。

5つ目、緑の帽子です。この帽子を被っている時は創造性のモードになります。

これまで問題を分析的に、または感情的に見てきました。

今までにない方法で問題を考えるにはどうしたらいいでしょうか。

記憶のヒントは緑の芝生です。

6つ目、青い帽子を被って管理者モードになりましょう。

問題に生産的に取り組めているか、これまで被ったすべての帽子のメリットを活かしながらそれをできているかを確かめましょう。

最初は青い帽子で初めて最後にまた被るということをしている組織も多いです。

青=全体像を覚えるには青い空をイメージしましょう。

博士のこの問題解決法は思考の力をフルに活用しながら巧妙で見事に体系化されたメソッドと言えます。

その根底には問題をあらゆる角度から見て効率よく定義しようという狙いがあるんです。まず取り組むべき問題を明らかにする。次に手に入る事実を全て把握できているのかを見極める。

それからその問題にポジティブな態度で取り組めているのかを確かめる。さらに今の自分の課題を冷静に見つめ、それについて感じていることを表現するのを自分に許す。

その後問題に異なる角度から取り組み想像力を自由に働かせる。そうして初めに戻り当初の目標を達成できたかどうかを検証していきます。

人というのはどうしても一つの思考法に偏りがちで同じ面ばかりを見て考えを深めてしまいます。

しかし世の中のすべての物事というのは多面的に見て初めてその形が分かるものばかりなんです。

思考習慣としてこのように帽子というラベルを使うことで意図的に思考法を切り替えること、これを取り入れることで生産性は間違いなく上がっていくのではないでしょうか。

以上でリミットレスの解説を終わります。

少しはお役に立てたでしょうか?

新しい発見がありましたでしょうか?

また次回、本解説シリーズやっていきます!それではまた。

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