本解説シリーズ
『リミットレス』
超加速学習 人生を変える「学び方」の授業
今回紹介する本はジム・クウィック著書『リミットレス 超加速学習 人生を変える学び方の授業』です。
それでは2つ目のリミットレスになるにはを解説していきます。
具体的にどうやったらあなたのリミットを解除し、リミットレスになることができるのでしょうか?
まずリミットレスになるために重要なのは誤った思い込みを手放すことだということを覚えておいてください。多くの人が誤った思い込みや固定観念によって自分自身にリミッターをかけてしまっているんです。
自己を制限する固定観念はその人のセルフトークによく表れてきます。
セルフトークとは、できないと思い込んでいることにフォーカスされる心の中の会話のことです。その声がお前には無理だと言ったせいで夢を追ったりするのをやめたことがあるという方は多いのではないでしょうか。
私たちは家が貧しいか裕福か自分が重要かそうでないかを知らずにこの世に生まれ落ちてきます。その全てを教えてくれるのは2人の大人、つまり私たちの両親なんです。両親は私たちの最初の教師と言えます。
そして悪気はおそらくないんですが無意識のうちに我が子に固定観念を植え付けて、そこから人々は抜け出せないでいるんです。このような固定観念はあなたが得意なことをする時にも表れて邪魔をします。
メモを取るとか簡単な計算をするとかいつもだったら楽にこなせる作業をプレッシャーの中でしなければならなかった経験はありますでしょうか?プレッシャーから自分に対する疑いが生まれ作業がうまくできなかったことが誰しもが一度は経験していることだと思います。それこそが固定観念に邪魔されている状態なんです。
自分の頭から出られさえすれば難なくできるのに内なる声に惑わされてしまう、これが最初のマインドセットのリミットです。
皆さん、自分に才能がないと思っていませんでしょうか?
実際は才能の種類をわかっていないだけかもしれないんです。
もし世の中に絵画というものが存在しなかったらピカソは天才と呼ばれなかったかもしれません。同様にあなたが自分を天才だと思えないのは天才の種類を知らないだけかもしれないんです。才能にはいくつかの型があります。
そして様々な分野の専門家が人間の才能は主に4つの型のいずれかに現れるという見解で一致しているんです。その型とは次の4つです。
まずはダイナモ型
創造性やアイデアの斬新さにその才能が現れるタイプです。
代表格はシェイクスピアです。人間の本質を見事に描いた物語を産み出す名人だったからです。
また空を見るときに他の人にはできない見方ができるのがダイナモ型です。
ダイナモ型は世間が言うところのいわゆる天才のイメージに最も近いといえるでしょう。
2つ目がブレイズ型です。
人との関わりにおいて非凡さを発揮するタイプです。
様々な属性の人と頭と心と魂でつながれる圧倒的な能力の持ち主、それがこのブレイズ型です。
代表格はオプラ・ウィンフリーです。
このタイプの天才はコミュニケーションの達人である場合が多いです。
3つ目の型が大局的な視点を持ってやり抜くことに秀でたタイプです。
代表格はマザーテレサです。絶望の危機にある人々にも一寸の光を見せられたまさにテンポ型の天才です。テンポ型は普通の人にはおよそ不可能な方法で長期的な展望を描くことができる天才と言えます。
最後の型がスティール型です。細かな作業が得意で他の人が見落としたか想像できなかった細部をすくい上げるのが得意のタイプと言えます。
代表格はセルゲイ・ブリンです。その才能で膨大な量のデータの可能性を見出しgoogleを共同創業したからです。スティール型は情報という情報を全て手に入れることを好み、他のほとんどの人が見逃しているその情報で何かをやってのける先見の明があります。
簡単に分けてしまえばあなたにアイデア力があるのか、共感力やコミュニケーション力があるのか、未来を読む力に長けているのか、データを分析することが得意なのか、このように分けることができます。
もちろんこの他にも才能はあるかもしれませんしあなたは何か別の分野の天才かもしれません。しかしここで覚えておいて欲しいのは天才というのはIQ180で研究室に籠って他の誰にも解けないような難しい問題を解いている人たちだけではないということなんです。
小さい頃から勉強ができる人=天才というイメージを植え付けられてきた私たちは勉強ができなければ天才ではないと思いがちなんですが、勉強ができるというのは天才の一つの種類に過ぎないということです。
あなたにも何かしらの才能が眠っているんです。重要なのはその才能を自由にしてやることではないでしょうか?
ではどうすればあなたが持っている才能を解放し自由にすることができるのか。
その方法とはポジティブマインドセットと呼ばれる方法です。
ポジティブマインドセットは近年注目を浴び、単なる精神論やスピリチュアルの話という扱いから変わり科学的に効果が実証されるようになってきました。例えばジョンズホプキンス大学の研究では、ポジティブな人々はネガティブな人々よりも心臓発作などの冠動脈イベントの発生率が13%も低いことが示唆されているんです。
さらに医療機関のメイン8クリニックはポジティブ思考は効果的なストレスマネジメントの重要な要素で健康効果が期待できると語っています。
そして寿命が延びる、うつにかかりにくくなる、ストレス症状が減る、風邪の抵抗力が高まる、心身がより健康になる、心血管系の状態が改善し心血管系疾患による死亡リスクが減る、混乱やストレスにうまく対処できるようになるなどなどさまざまなメリットを語っています。
しかしポジティブになれと言われてもなかなかなることができないのが人間というもの ですよね。
そこでここでは自分に対する考え方を変える方法、固定観念を打ち破る方法を学んでおきましょう。
考え方、固定観念を破るには必要な鍵が3つあるんです。
鍵の1つ目は固定観念の存在に気づくことです。
まずはあなた自身が固定観念に気がつく必要があるんです。気がついてすらいない固定観念は変えようがありません。自分はダメだと言う声がしたら今から、今日から注意を払ってみましょう。
例えばあなたは自分は冗談を言うのが下手だと思っているかもしれません。
そしてそれ自体は大した問題ではないかも知れません。あなたが芸人を目指しているという場合以外は冗談がうまい人間になることは人生がかかった夢や野心というわけではないからです。
ただし同時に自分には面白みがないんだよな、とか一緒にいて楽しい人間ではないな、とも思っているとしたら問題といえます。その種類のセルフトークは重要な社交の場に参加したり人前で話す必要が出てきたりした時にあなたに二の足を踏ませることになります。
だから自分がこれができないとか、~ではないとか、~がないと言っているのに気がついたら慎重に耳を澄ませましょう。たとえそれが特殊な状況で自分を規定するほどとは思えなくてもこうした自分を貶めるような言葉は人生全般の考え方に関わるメッセージをあなたに送っているんです。それと同時にこの種類の声の出どころも突き止めましょう。
自己を制限する固定観念は子供時代に始まることが多いです。これは何も家族が唯一の元凶だと言いたいわけではありません。
幼少期の社会的環境や学校教育もその源になりえるんです。
子供の頃に初めて挑戦し数回おこなったけれどうまくいかなかっただけ、それだけで制限してしまっているということがあるんです。セルフトークが自分をどう制限しているのかを知り時間をとってその出どころを見極める。そうすると心がとても軽くなります。一旦気がついてしまえばそれが自分に関する事実ではなく意見に過ぎないと分かりだすからなんです。その意見が間違っている可能性も大いにあります。
そうして心の声を突き止めたら今度はその声に言い返していきましょう。
そんなことしたって失敗するだけだと心の声が言ったら、これまでダメだったからと言って今回もそうとは限らない、その考えは胸にしまっておこうよと言い返すんです。それだけで心は軽くなります。あなたを否定する心の声は自分に関する事実ではなく意見に過ぎない。これをしっかりと押さえておきましょう。
鍵の2つ目は根拠を確かめるということです。
固定観念の根本的な問題にそれが多くの場合、事実でも何でもないことがあるというのがあります。
あなたは人前で話すのが本当に下手なのか、グループを率いるのが本当に苦手なのか、どこへ行っても本当にその場の誰よりもつまらないのか、それを裏付ける証拠はあるか、そうした状況に実際に置かれたことが何度かありその結果はどうだったのか?
先ほども説明しましたが単なる思い込みというのは自分に関する事実ではなく意見に過ぎないことが多いです。話すのが苦手だと思っている人は自分がみんなの前で発表したときのことを思い出してください。その時自分がどう感じたかではなく実際にどうだったのかを思い出すんです。
ブーイングを浴びて退場させられたでしょうか?
終わってから「酷い出来だったよ」と誰かに笑われたでしょうか?
上司に翌日呼ばれて一言も話さなくてもいい仕事に就いたらどうだ?と嫌みを言われたでしょうか?
たぶんそんなことは起きなかったでしょう。それどころかみんながあなたの言葉に共感してくれたのではないでしょうか。仕事の話ならメモを取っていたのかもしれません。あなた自身も何かしらの手ごたえを感じたはずです。心の声が言うあなたよりも現実のあなたのほうがずっとうまく情報を伝えることができると思います。
ネガティブなイメージというのは大体が大げさなものなんです。あなたを制限する固定観念が事実かどうかを調べるときは次の2つを忘れずに考えてみましょう。
「あなたがその状況で制限されていることを示す証拠は実際にあるだろうか」
そして「その証拠は心の声に歪められていないでしょうか」
鍵の3つ目は新たな信念を作るです。
さて、ここまでであなたは自己を制限する固定観念の存在に気づき、それが事実かどうかも慎重に確かめました。次は最も重要なステップ、将来なるべきリミットレスな自分にとって有益な新しい信念を作る。という作業に入りましょう。
あなたの固定観念に自分はいつも肝心な時に力が出せないんだよ、というものがあるとします。あなたはその存在に気づき事実かどうか確かめた。すると分かったのはあなたはプレッシャーがかかると緊張して時々ミスをするが本当に失敗だったのはほんの数回で、実際には土壇場でヒットを放った時もあったということです。
それどころかよくよく考えると失敗よりも成功のほうがずっと多かったというのも分かりました。ではいよいよ新しい信念を作っていきましょう。
今の例で言えばあなたの新しい信念は『最も重要な場面で9割ヒットを打てる人はいないが、プレッシャーが最高潮のときに何度か最高のパフォーマンスを発揮できたことは誇っていい』となります。
この新しい信念は古い固定観念に完全に置き換わるもので完全に事実に基づいています。次の肝心な時、重要な時には今よりもずっと健全なマインドセットで臨むことができます。
つまり自分を肯定できる確実な事実を胸に刻み込む。これこそがプラスのマインドセットを作る方法と言えるんです。
重要なのは事実に基づいていることとそれがあなたにプラスのイメージを与えてくれるということです。ぜひ自分の新しい信念を作ってみてください。
さて、それでもマイナスのイメージが消せないんだという人に一つテクニックをお伝えしましょう。それは心の声の持ち主を具体的にイメージするということです。
どうしてもマイナスのイメージが浮かんできてしまうんだ、自分を否定する心の声が消せないんだ、という人はその心の声をヘンテコなちょっと間抜けなキャラクターが入っているようにイメージしてみましょう。何を馬鹿なこと言ってんのかと注意できるくらい馬鹿バカしいキャラクターが良いでしょう。
そしてそのキャラクターが言う凝り固まったネガティブな思い込みを笑い飛ばしてみましょう。それが頭に浮かんできたらまた出たと呆れましょう。これをすることで自然と自分を客観視することができるようになります。
つまりメタ認知ができるようになるトレーニングになるんです。
そのキャラと本当のあなたを区別できるようになればなるほどメタ認知ができるようになり余計な固定観念に惑わされにくくなります。
さてここまででマインドセットのリミット解除完了です。
では次回は3つ目のモチベーションとメソッドのリミットについて解説していきます。 それではまた。