本解説シリーズ
『リミットレス』
超加速学習 人生を変える「学び方」の授業
今回紹介する本はジム・クウィック著書『リミットレス 超加速学習 人生を変える学び方の授業』です。
本格的に脳のリミットを外す方法や、意欲のリミットを外す方法、記憶力や集中力、習慣のリミットを外す方法など、それらが具体的かつ分かりやすく書かれた本書は誰でも実践できる、効果を実感できる勉強法や仕事術がつまった一冊になっています。 勉強法の本を良く読むという方にとっては知っている内容も多いかもしれません。しかし、確認の意味も込めて一度目を通しておくことをオススメ致します。
ぜひ今回の解説を見てその効果を知り本書を手にとってさらに詳しい内容に触れてみてください。
今回紹介する内容は以下の3つです。
1、リミットを外す
2、リミットレスになるには
3、モチベーションとメソッド
それでは1つ目のリミットを外すを解説していきます。
私たちは子供の頃から浴びせられ続けてきた親の言葉、友達の言葉、テレビの言葉によって様々なリミットをかけられてきています。
「あなたにはできない」「そんな挑戦無謀だ、辞めたほうが良い」
そういった言葉が積み重なった結果あなたの心は強力な鎖でぐるぐる巻きにされてしまっているのです。生まれたての人間の心には自分にどの程度能力があるのかあらかじめ刷り込まれてはいないんです。それらの固定的で制限された考え方を人間は周りの人や成長時に経験したり文化から学んでいきます。
杭につながれた象を思い浮かべてください。象の足首はロープでつながっています。その象は赤ん坊の頃、杭を引き抜くようなそんな強い力がなかったのでやっても無駄なんだ、引き抜こうとしても無駄なんだと学び次第に努力するのをやめてしまいました。成長すると杭を引き抜くのに余りある力と強さを身につけたんですが赤ん坊時代の学習からロープと脆い金属というなんでもないものにつながれたままでいるんです。心理学ではこの状態を学習性無力感と呼びます。私たちのほとんどはこの象のように振舞っているんです。どこかで杭が抜けないといったような印象づけるような経験をし、それ以来自分のポテンシャルに対する固定観念が定まってしまっているんです。今回はそのリミッターを外すことから始めていきましょう。
もし、あなたが本来のポテンシャルを活かせていないと感じるなら、もしくは今の現実と望んでいる現実に開きがあるならその原因は間違いなくリミットにあるんです。
リミットには大きく分けると3つ種類があります。その3つとは
マインドセット(WHAT)
モチベーション(WHY)
メソッド(HOW)
のリミットです。
マインドセットのリミットとは自分自身に、また自分の能力や価値や可能性に高い期待を抱けないこと
モチベーションのリミットとは意欲か目的かはエネルギーが足りないので行動を起こせないこと
メソッドのリミットとは望む成果を得るための効果的な手段を教わってない、または実践していない
この3つのリミットを外して初めてリミットレスの世界に飛び込むことができます。
たった一つでも縛りを残していてはいけません。
マインドセットとモチベーションがあったとしてもメソッドが分からなければ実現でません。マインドセットとメソッドがあったとしてもモチベーションがなければ、やるべきことは分かっている、やり方も知っている、しかしその状態から動けなくなってしまいます。 すべてがそろって初めてリミットレスになる。それをまずは押さえてください。
その上で具体的にどうすればこれらのリミットを外すことができるのかを解説していきます。
ただその前に、本当にリミットを外すことが可能なのか…
人間の脳に限界がないというのは本当なのか…
というところを研究を通して見ておきましょう。
皆さんは世界一難しい試験と言われるロンドンのタクシーの免許取得試験「The Knowledge of London」のことをご存知でしょうか?
ロンドンの道は複雑に入り組んでいてタクシーの運転手の脳の中には膨大な量の情報がしまい込まれているんだといいます。受験者は免許を取るために市街の特定の区域「チャリングクロス駅の半径10キロ圏内」の部分を3、4年かけて隅々まで走り2万5000本もの迷路のような通りとそこに立ち並ぶ何千もの施設や名所を記憶するそうです。しかしそれだけ熱心に勉強したとしても試験には志望者の約半数しか受からないという非常に難解な試験です。ユニバーシティカレッジロンドンの神経学者であるエレノア・マグワイアは、ひょっとしたらその試験にくぐり抜けた精鋭たちというのは脳の海馬の部分が普通よりも大きいのかもしれないと考え調査をしました。
その結果、ロンドンのタクシー運転手が実際に同じ年齢、同じ教育、同じ知的水準のタクシーを運転しない人々よりも海馬後部の灰白質量が増大していることを突き止めたんです。
つまりロンドンのタクシー運転手の方はそうでない人々よりも海馬の記憶を司る部分が肥大していたってことが分かったんです。タクシー運転歴が長いほど海馬も大きく、あたかも脳がロンドンの通りを知り尽くすという認知の欲求を満たすために広がっていっているようだと語っています。
その後研究が進み、一つの脳の特徴が示されました。それは脳には神経可塑性があるということ、つまり新たなことを学んだり、経験したりしたときに脳がその構造を作り変える能力があるんだということです。
市内の新たなルートを学び続けたことでタクシー運転手の道には新たな神経回路が生まれました。そしてその回路は脳の構造とサイズを変えたんです。
つまりあなたが新しいことを学べば学ぶほどあなたの脳はその構造や大きさが変化しあなたに能力を授けてくれるんです。新たなレベルの知力に合わせてハードウェアをアップグレードしていくことができる、あなたの可能性は無限にあるんです。
遺伝によって性格や学習能力がある程度決められているという話もあります。それは事実認めなくてはなりません。しかし、変えることができるところがあるというのもまた事実なんです。
脳はあなたの行動によって変化していく、構造も大きさも変わっていく、そう思えば努力しようという気持ちが生まれてくるはずです。
またあなたの能力はあなたの心がけで変えることができるんだという話をしましょう。それは腸管神経系の話です。
腸は2つ目の脳だという話を聞いたことがある人も多いと思います。消化、気分、健康、さらには思考との関係をめぐる医学会の常識を一変しつつあるんです。科学者はこの腸の中に潜んでいる小さな脳を腸管神経系(ENS)と呼んでいます。ENSは1億以上の神経細胞を持つ2つの薄い層で食道から直腸までの消化管に分布しています。この ENSについてはそれが人間の脳や情動や行動にどう影響しているかについてまだ解明が始まったばかりであり分かっていないことも多いです。
しかしここ10年の間に腸が脳の働きに多大な影響を与えているということは明らかになりつつあります。また腸が何らかのメッセージを迷走神経を使って脳に送っているということも分かっています。
あなたの腸は今もあなたが食べたものを消化しその燃料を脳へ送っているんです。腸に粗悪な食べ物を与えてしまうと脳にも粗悪な燃料が送られてしまう。このことをしっかりと覚えておく必要があります。食事はあなたの脳を変えるお手軽な方法なんです。食事の影響はあなたが思っている以上に脳に影響するんです。それを覚えておくだけでもあなたの脳の機能はこれまで以上にパワーアップするはずです。
さて、ここまでで1つ目の リミットを外す は以上になります。
それではまた次回。