本解説シリーズ
『アウトプット大全』
学びを結果に変える
今回は精神科医、樺沢紫苑先生の大ベストセラー『アウトプット大全』を解説していきます。
アウトプットとは脳内の情報を外界に出力することです。具体的に言えば「話す」「書く」「行動する」です。
ではアウトプットがなぜ大事なのでしょうか?
それは脳の仕組み上アウトプットしないと記憶に残らないからです。
アウトプットすることで初めて情報は海馬から側頭葉へと移動し長期記憶されるのが脳の仕組みになっています。
樺沢先生は「本をたくさん読みセミナーを受講したりして、たくさんインプットしているサラリーマンは多いが彼らは決定的なところで間違っている」と主張しています。
彼らはほとんどアウトプットしていないのです。
アウトプットしないため記憶に残らず自己成長もできず時間を無駄にしているとのことです。
月に本を10冊読んで全くアウトプットしない人と、月に3冊読んでしっかり読んだ本の内容をアウトプットする人だと月3冊の人の方が圧倒的に成長します。インプットしてもアウトプットしないならば意味がないと樺沢先生は断言しております。
アウトプットしないと記憶に残らないというのがピンとこない人はあなたの受験時代を思い出してみてください。
教科書はただ読むだけのインプット中心の勉強では知識は覚えにくかったはずです。
皆さんは問題集を解いていたはずです。実はこれがアウトプットに相当します。持っている知識を使って問題を実際に解くというアウトプットの勉強をして初めて知識が身につき、使える形で知識は定着するのです。
情報をインプットしただけでは目の前の現実は1ミリも変わりません。
得た知識を実際にアウトプットする。すなわち行動して初めて目の前の現実が変わるのです。
では次にどれぐらいアウトプットすればよいのか?
答えは「2週間に3回」です。
2週間に3回学んだ内容を人に話したりSNSに書いたり実際に行動してください。2週間に3回使った情報は脳が重要だと判断し長期記憶として定着します。
またインプットとアウトプットの割合は3対7が黄金比です。
たいていの人はインプットとアウトプットの割合は9対1でインプットに偏った生活をしています。ぜひともアウトプットに偏った学習を目指しましょう。
それでは具体的にどうやってアウトプットしたらよいのでしょうか?
答えは3つあります。
1、読んだ本やセミナーの内容を友人や家族に話す。
2、とにかく書きまくる。
3、行動する。
この3つの方法でアウトプットしていきましょう。それぞれ具体的に解説していきます。
まず1番についてです。
読んだ本の内容やセミナーの内容を家族や友人に話しましょう。
話すことはもっとも手軽なアウトプットです。例えば読んだ本の感想を2週間以内に3回誰かに話せば長期記憶の条件を満たすことができます。ただ感想を話すだけでも脳は活動し記憶の定着に大きく貢献することが分かっています。
まずこのシンプルな方法を試してみましょう。
次に2番です。
とにかく書きまくる、そして慣れてきたらさらに書きまくりましょう。
ポイントはとにかく覚えたい内容や大事な内容は書いて書いて書きまくること、それだけで脳が刺激され記憶に刻まれます。本を読みながら大事なところに線を引いたり思ったことを本に直接書き込むのもOKです。またSNSに書きまくるのも素晴らしい選択です。SNSに読んだ本の感想やセミナーで印象深かったところを書きまくりましょう。SNSが恥ずかしければ日記を書くのもOKです。
もちろん意識が高い人はもう一歩進んでブログを書くのもOKです。
ブログを書けば嫌でも記憶に残るでしょう。
では3番の行動するです。
書くことに慣れてきたら実際に行動してみましょう。
これは最も大事なアウトプットです。せっかく良い本を読んでも、いいセミナーを聞いても見たり聞きっぱなしでは記憶に残らず意味がありません。
例えば運動の本を読んだなら有酸素運動は週に2回するのがいいのか、で終わるのではなくて実際に週2回やってみる。得た知識を生活に落とし込んで馴染ませてみる。
例えばこの本を読んでアウトプットの重要性に気づいたら実際にその後に感想を書いて自分なりのアウトプットをしてみる。
このように行動することこそ最大のアウトプットで、記憶力アップに最も効果的な方法なのです。
これまでインプットしたことをアウトプットするのが大切でその具体的な方法について解説してきました。
最後にもう一段上に行きたい人へ、フィードバックとは何かを解説して終わります。
フィードバックとはアウトプットした結果を見返したり反省点をあげたり、失敗した原因や成功した原因を分析したりして次のインプットにつなげることです。
例えばYouTubeを投稿するとします。
アウトプットをしたが再生数が伸びない、なぜか?
原因を分析したら声が小さいことに気付いた。
だから次は音量を上げて動画を撮ってみよう。
というふうに前のアウトプットを次に生かすことをフィードバックと言います。そしてもっとも効果的なフィードバックは人に教えてもらうことです。身近な先生や専門家、プロの人に自分のアウトプットを見てもらいそれに対して適切なアドバイスをもらえるのがベストです。
例えばYouTubeにアウトプットした動画に対してプロのYouTuberにアドバイスをもらえれば改善点も明確になり前のアウトプットが次に活かせるようになるわけです。
このようにフィードバックを効果的に行いより良いインプット、アウトプットをしていきましょう。
今回の解説は以上になります。ありがとうございました。 次回は『リミットレス 超加速学習』を解説していきます。それではまた。